数年前、ニュースになった「保育園落ちた日本●ね」という衝撃的な言葉を覚えていますか?
一億総活躍社会と言われながら、希望する保育園に落ちて待機児童となってしまう人も多い日本。いざ働きたくても子供の預け先が無くては困ってしまいますよね。
預け先は保育園だけではありません。幼稚園・こども園という手段もあります。
この記事は、子どもの預け先を確実に確保したいママに向けて、幼稚園・こども園の特徴やメリット・デメリットをご紹介します。
この記事を読めば、保育園と幼稚園・こども園の違いが分かり、保育園に落ちた場合にも新たな預け先として検討することができます。
ちなみに、私は第1子は「こども園」、第2子は「保育園」でした。そのため、それぞれ違う園を経験して実際の違いを感じることができました。
その経験を元に保育園・幼稚園・こども園の選び方のポイントについても解説していきます。是非、最後までこの記事を読んで、ご自身に合った園選びの参考にしてみて下さい。
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保育園に落ちたら幼稚園・こども園を検討する理由
結論、保育園に入れなった場合は幼稚園、こども園も選択肢に入れて検討すべきです。理由は3点あります。
- 1年延期せず、希望の時期に働き始められる可能性が高まる
- 自分の働きかたに合った園を検討できる
- 学習面で幼稚園・こども園に、保育園にはないメリットを発見できる
まず、第1に保育園に落ちても幼稚園・こども園を検討すれば1年延期せずに希望の時期に働き始められる可能性が高くなります。
「保育園落ちた日本●ね」という言葉以降、待機児童を減らそうと預け先の受け皿は少しずつ広くなっています。
希望の時期に働きたいと思ったら、保育園にこだわるのではなく、幼稚園・こども園と選択肢を広げることが大切です。
第2の理由は保育園に落ちても、幼稚園・こども園と預け先を検討する中でより自分の働き方に合った園を発見できるということです。
保育園に落ちたことをきっかけに、幼稚園・こども園を検討してみると「預かり保育を利用すれば幼稚園・こども園でも安心して勤務できるな」と思えたり、 「仕事が休みの日は家で子供とゆっくり過ごせるから幼稚園を利用するのも良いな」と保育時間が短い幼稚園にメリットを感じることもあります。
保育園にこだわらず、落ちた時に幼稚園・こども園と選択肢を広げることでより自分の勤務形態に合った園を見つけられるのです。
第3に、保育園に落ちたのをきっかけに幼稚園・こども園に目を向けてみることで保育園には無いメリットに気付くことができます。
幼稚園には保育園にはない学習面でのメリットがあります。
今まで保育園しか検討してこなかったという人も、選考で落ちた時に幼稚園・こども園を見てみると保育園にはないメリットを知ることができるのです。
保育園・幼稚園・こども園の特徴は?
国公立・私立、認可・不認可によっても違いはありますが、大まかな違いは下のようになっています。
保育園 | 幼稚園 | こども園 | ||
管轄 | 厚生労働省 | 文部科学省 | 内閣府 | |
入所可能年齢 | 0歳~入所可能 | 主に3歳以上 | 0歳~入所可能 ※1 | |
勤務者所有資格 | 保育士免許 | 幼稚園教諭免許 | 保育士・幼稚園教諭免許 | |
利用可能者 | 保育に欠ける人のみ | 就労・家庭の事情にかかわらずOK | 0~2歳児は保育認定が必要 |
保育園の特徴
- 管轄は「厚生労働省」
- 保育に欠ける人のみ入所可能
- 市町村で「保育認定」を受ける必要がある
- 先生は“保育士”資格を有する保育園の目的は養護と教育 ※ここでの教育は幼稚園の教育とは異なる
- 必要であれば0歳から入所可能
- 長期連休、土曜日も登園可能
保育園の1番大きな特徴としては「保育認定」を受けないと入所出来ないという点です。
保育園は家庭の事情や就労によって“保育に欠ける子供”を預かる施設です。 その為、土曜日や長期休暇時も登園可能な場合が多いです。
幼稚園の特徴
- 管轄は「文部科学省」
- 預ける理由が無くても入所可能
- 「保育認定」のを受ける必要なし
- 先生は“幼稚園教諭”資格を有する
- 幼稚園の目的は「就学前教育」 ※学校教育法に基づく
- 主に3歳児以上で入所可能
- 長期連休・土曜日は休み ※園によって異なる場合もある
保育園と違い、幼稚園は「保育認定」は必要ありません。3歳以上で入所可能となります
※私立・公立でも差はありますが、長期連休や土曜日は休みな場合が多い。
こども園の特徴
- 幼稚園と保育園の特徴を合わせ持っている
- こども園の種類によってあり方が変わる
【幼保連携型認定こども園】…始めから保育園幼稚園の機能をあわせ持つ施設
【幼稚園型認定こども園】…もともとは幼稚園だった園に保育園の機能を備えた施設
【保育所型認定こども園】…もともとは認可保育園だった園に幼稚園の機能を合わせた施設
【地方裁量型認定こども園】…幼稚園・保育園の存在しない地域に認定こども園として出来た施設 - 保育園時間に預ける園児には「保育認定」の必要がある
- 先生は“幼稚園教諭”と“保育士”資格を有する
- 0歳以上が預けられる保育園と3歳児以上からの幼稚園部分を併せ持つ
- 保育園部分では長期連休・土曜日も預けられる
こども園は、幼稚園・保育園の特徴を、あわせ持っています。その形態は上記のように4つに分類されます。
保育園・幼稚園・こども園、後悔しない選び方のポイント
まず重要なのは「何を大切(優先)にしたいか」を考えることです。 全てが理想通りの園に巡り合うのは、なかなか困難です。 お子さんの乳幼児期に何をより大切にしたいかを頭の中で描きながら読み進めて下さい。
後悔しない園選び、チェックするポイント
- 登園の手段→バスはあるか?距離はどれくらいか?(電車か車か徒歩かなど)
- 早朝保育・延長保育の有無→勤務時間に無理は出ないか?
- 園の雰囲気→教育に力を入れている・自由で伸び伸び遊ぶなど
- 各種教育の有無→英語教育・リトミック・その他早期教育など
- 昼食やおやつの有無→給食かお弁当か、内容はどうか?
- 料金の確認→入園料・月謝・昼食費・制服・教育費・バス代・延長料金など
- 行事や保護者会→どんな内容・日程で保護者がどの程度参加するか
- 願書提出日程→いつまでにどんな書類を揃えるか
- 体験・プレ保育の有無→園を体験出来るイベントはあるか?
あなたが何を優先したいか?
- 給食があり、行事や保護者会などの負担が少ない園を選びたいなら→保育園
- 学習面(英語やリトミック)など早期教育に力を入れたいなら→幼稚園
- 途中で復職希望など変化に対応できる園なら→こども園
上記のポイントを参考にすれば希望に近い園に出会えるはずです。
保育園・幼稚園・こども園それぞれが持つメリット・デメリット
保育園・幼稚園・こども園それぞれに違った特徴があり、それに伴ってメリット・デメリットもあります。
私自身、子供を幼稚園・保育園・こども園といずれにも通わせたことがあるので、その経験も含めてご紹介します。
幼稚園のメリット・デメリット
【幼稚園のメリット】
- 英語教育やリトミック、読み書きなど早期教育を受けることが出来る
- 園によって(特に私立)は行事や参観など力を入れていて華やかに感じる
- 保育園に比べ園で過ごす時間が短いので家で子供と長い時間過ごせる
- 保育認定が無くても入園出来る
【幼稚園のデメリット】
- 保育園と比べ、園での行事や保護者会の活動が多い
- 3歳以上からの入園や1日の過ごす時間も短いので子育てを負担に感じる場合もある
- 送り迎えの時間が一緒な為、ママ友付き合いを面倒に感じることもある
- 園によっては弁当が必要だったり、園の弁当が暖かくない場合もある
保育園のメリット・デメリット
【保育園のメリット】
- 保育に欠ける場合であれば0歳から入所することが出来る
- 食事・着脱・排泄など基本的な生活習慣を集団生活の中で小さい時から教えてもらえる
- 園の行事や保護者会などが働く保護者に負担のないように考えられている
- 幼い月齢でも必要であれば長時間預けられ育児の負担が軽減される
- 長期休暇や土曜日も必要であれば保育可能である
【保育園のデメリット】
- 地域によっては入園の倍率が高く待機児童になる可能性もある
- 幼稚園のように就学前に園で学習を目的とした教育を受ける機会がない
- 園での時間が長いため帰宅後、家での時間や親子の時間が少ない
- 「保育認定」がないと預けられない為、預ける理由がないと退所しなくてはならない
こども園のメリット・デメリット
【こども園のメリット】
- 保育園と幼稚園のメリットが両方あてはまる
- 異年齢や保育時間の違う園児が交流でき、色々な発見や学びがある
- 入園後に親の働く環境が変わっても、子供を他園に転園させずにすむ
【こども園のデメリット】
- 保育園時間、幼稚園時間の子供が混ざっている為短時間で帰る園児を見て寂しくなることも
- 園の行事や保護者会が幼稚園に合わせ平日に行われたり、保育園にくらべてイベントが多い
私も、子供が幼稚園に通っている時は送り迎えの際にママ友と話をしたり、帰宅後に家の行き来があったりと交流が多くありました。
子供が保育園に通っている時は皆出勤に忙しかったり迎えの時間もバラバラでママ友と話すことはほぼ無く、園が終わって子供同士が家で遊ぶということも、ほとんどありませんでした。
また、こども園の時は行事が平日にあり仕事の休みを取らなければいけなくて困ったこともありましたが、働いている人はPTAを免除されるなど良い面もありました。
保育園・幼稚園・こども園の料金は?無償化による変化は?
2019年10月より保育料の無償化がスタートしました。これにより、保育園・幼稚園・子供園の料金はどのような変化があったかご説明します。
【保育料無償化とは?】
- 保育園・幼稚園・認定こども園などを利用する3歳~5歳までの全ての子供の保育料が無償
- 0歳~2歳の子も住民税非課税世帯は無償化の対象となる
※給食費・送迎費・行事費用は無償化の対象外(これまで同様保護者負担)
【保育園における無償化の注意点】
- 保育園は3歳児クラスから対象0歳~2歳児クラスは住民税非課税世帯のみ対象
- ※第2子の場合は半額・第3子は無料はこれまでどおり適用
【幼稚園における無償化の注意点】
- 私立・公立問わず月額2.57万円が無償化の対象
- 幼稚園は満3歳からが対象
- 幼稚園での預かり保育も月額1.13万円を上限に無償の対象
【認定こども園における無償化の注意点】
上記基準と同様になる。
※認可外の保育施設やベビーシッターなどについては月3.7万円まで無償となる。
保育園・幼稚園・こども園に英語教育はあるの?
結論から言うと、園によって違うので事前に調べる必要があります。
ただ、基本的に幼稚園は文部科学省管轄の“学習”にも目的を置いている施設として英語教育に力を入れている割合が保育園に比べ多い傾向があります。
また、私立・公立によっても違いがあります。 一口に幼稚園・保育園・こども園の英語教育とまとめることは出来ないので、「子供に英語教育をさせたい!!」という方は園を検討する際に調べてみましょう。
子どもに合った園を選ぶ際の重要ポイント
私の経験から、園を選ぶポイントをご紹介します。
検討する際は下記を必ずチェックしましょう。
- 登園の手段
- 駐車場・駐輪所の有無(最寄りのコインパーキングの箇所)
- 保育時間の確認(標準時間と延長保育)
- 園の雰囲気(伸び伸びしている・教育熱心など)
- 希望する教育はあるか(英語教育・リトミック・その他早期教育)
- 昼食やおやつの確認(給食かお弁当か、内容はどうか?)
- 捕食に対応しているか
- おむつの持ち帰りの有無
- 昼寝布団の準備・持ち帰るタイミング
- 料金の確認(入園料・月謝・昼食費・制服・教育費・バス代・延長料金)
- 行事や保護者会の負担はどうか?(内容・日程・保護者がどの程度参加するか)
- 願書提出日程(いつまでにどんな書類を揃えるのか)
- 体験・プレ保育はあるか(事前に園を体験出来るイベントはあるか?)
入園したらイメージと違った!聞いてない!ということが無いように、「こんなこと聞いたらまずいかな…」と思わず、気になることは積極的に確認しましょう!
保育園・幼稚園・こども園違いや選び方のポイントまとめ
保育園・幼稚園・こども園をすべて経験した私が、それぞれの特徴やメリット・デメリットについてお伝えしてきました。
最後に、保育園に落ちたら幼稚園・こども園も検討するポイントを3つお伝えします。
- 希望通りの時期に働き始められる可能性が高まる
- 幼稚園・こども園の方が勤務時間に合った保育時間の可能性がある
- 幼稚園・こども園に保育園以上のメリットを見つけられる
「保育園しか預け先がない」と思わずに、時間の余裕があるうちに、通える範囲の幼稚園、子ども園も検討して安心して働ける環境を整えましょう!